こんにちは!
今回は、最近読んだ本『「解像度が高い人」がすべてを手に入れる 「仕事ができる人」になる思考力クイズ51問』について、学んだことをアウトプットしていきたいと思います。
私自身、仕事で「もっと具体的に」とか「もう少し抽象度を上げて」といったフィードバックをもらうことがありました。この本を読んで、その原因が「解像度」にあると気づきました。
「解像度」とは何か?
著者の権藤悠氏は、デロイトトーマツコンサルティングで約3000社、1万人以上のビジネスパーソンを見てきた経験から、「仕事ができる人」には「解像度が高い」という共通点があると述べています。
では、「解像度」とは具体的に何でしょうか?
解像度が低い状態
これは、物事の理解が不十分で、考えが粗い状態です。
- ぼんやりとした画像のように、思考が曖昧で具体的なことが見えていない
- 会議で「ふわっとした」提案しかできない
- 誰でも言えるような「安易な意見」ばかり出てくる
- 商談で相手の話が「いまいちピンとこない」
こうした問題は、すべて「解像度が低い」ことが原因だとされています。
解像度が高い状態
逆に解像度が高い状態とは、思考が鮮明で、細部までクリアに見えている状態です。
- ピントが合ったレンズのように、具体的で鮮明なイメージが頭の中にある
- 顧客の年齢、生活習慣、服装、困りごとなど、特定の一人が浮かび上がるほど細かく捉えている
- 周囲がハッとするようなユニークで鋭い洞察を持つ
- 相手の理解度に合わせて、専門的な内容でもわかりやすく伝えられる
つまり、「仕事ができる人」は、「解像度の高さ」によって、私たちとは全く違う世界を見ていると言えるのです。
解像度を高める3つの思考力
権藤氏自身も、かつては「解像度が低い人」だったそうですが、この力を意識的に高めることで、デロイトで上位1%の「Sランク人材」評価を得るに至ったそうです。
解像度を高めるために必要なのは、以下の3つの思考力です。
1. 具体化思考力(Thinking for Concretization)
これは、「99%の人には見えない所まで、物事が細かく見えている」状態を実現する力です。
思考の「画素数」を増やし、物事を細かく分解する力と言い換えることができます。
- 定義:「似たもの同士の違いを見つける」作業
- 例:受注目標が達成できなかったとき、「電話」「面談」「提案」などプロセスを細分化し、どこに問題があったのかを特定する
この力は、「物事の理解が不十分」「考えが粗い」といった問題を解決します。
2. 抽象化思考力(Thinking for Abstraction)
具体化思考だけでは、新しい気づきは得られません。この抽象化思考は、「99%の人には見えない、ユニークで鋭い洞察を得ている」状態を実現する力です。
- 定義:「異なるもの同士の共通点を見つける」作業
- 例:複数の成功事例から「癒やし」という共通点や成功法則を見つけ出す
この力は、「いつもポイントがずれている」「解決策が安易」といった問題を解決してくれます。
3. 具体抽象思考力(Concrete-Abstract Thinking)
最後のこの力は、「99%の人にも見えるよう、物事を分かりやすく伝えられる」状態を実現します。
具体化思考と抽象化思考の両方を使いこなし、相手の状況に合わせて「具体」と「抽象」を自由に行き来する能力です。
- 定義:思考のピラミッドの「最具体」と「最抽象」を自由に行き来する力
- 例:専門的な内容を、相手が知っている身近なものに「比喩」を使って説明する
「話がいまいちピンとこない」と言われるコミュニケーションギャップは、この力の不足が原因です。
「問い」が思考を加速させる
この本では、これら3つの思考力を鍛える方法として、「クイズ形式」を採用しています。
人は「問われること」によって深く考える生き物です。問いの種類によって引き出される思考も変わるため、それぞれの思考力に最適な問いが用意されています。
- 具体化思考力:「比べて、違いを問う」クイズ
- 抽象化思考力:「比べて、共通点を問う」クイズ
- 具体抽象思考力:「比べて、間を問う」クイズ
まとめ
『「解像度が高い人」がすべてを手に入れる 「仕事ができる人」になる思考力クイズ51問』は、仕事ができる人が持つ「解像度」という力の正体を明らかにし、それを鍛える具体的な方法を教えてくれる一冊でした。
物事を細かく見る「具体化」、本質を見抜く「抽象化」、そして両者を行き来して伝える「具体抽象化」。
この3つの思考力を意識的に鍛えることで、私も「解像度が高い」エンジニアになっていきたいと思います!


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